会社概要
マイクロン・テクノロジー(MU)はアメリカの半導体メーカーで、主にメモリやストレージの分野で大きな役割を担っている企業です。
1978年にアイダホ州ボイシの歯科医院の地下で、たった4人の社員で半導体設計会社として創業されました。その後数年で世界最小の256K DRAM(揮発性メモリの一種)を開発し、1994年にはフォーチュン誌が発行する全米トップ500の企業にランクインしました。
現在では技術イノベーション、様々な分野との豊富なパートナーシップ、世界各地での戦略的買収を通してテクノロジー業界のリーダーとも呼べるほどに成長しています。
MUの特長
2024年から日本では新NISA制度が導入され、世界の人口もますます増加し、空前の投資ブームとなっている今日ですが、半導体関連株は皆さんも一度は調べてみたことはあるのではないでしょうか?
MUも半導体関連株ですが、エヌビディア(NVDA)やアドバンスド・マイクロデバイシズ(AMD)などと違って異なる製品分野に特化しています。どの点が異なるのかザックリまとめてみました!
- メモリ(DRAM、NANDフラッシュメモリ)とストレージ(容量)製品に特化
NVDAは主にAIやゲーミング市場等における半導体チップのシェアが圧倒的なのに対し、MUは主にメモリやストレージ製品に特化しています。同じ半導体関連ですが、力を注いでいる分野が全く異なるため競争力の差別化を図りつつ、他社とパートナーシップを提携することでより良い製品を生み出すことができます。
NVDAとは競合企業ではなくむしろ協力関係にあり、”NVDAのGPU×MUのメモリ”のように様々な製品を提供しています。(例えばNVDAのGPUは高性能なメモリを必要としますが、MUはこれに適したDRAMやGDDRを提供しており、GPUの性能を最大限に引き出すことが可能となっています!)
- メモリの設計から製造までを一貫して行う垂直統合のビジネスモデルを有する
通常製品の製造には設計を別企業に委託したり、製造を自社で行ったりと、様々な企業が関わることが多いですが、MUは垂直統合のビジネスモデルを有しており、製品の設計から製造まで一貫して自社で行うことが可能となっています。これにより製造プロセスの最適化やコストを最小限に抑えることができています。
- PCやスマートフォン、データセンター、車載システムなどメモリが必要なあらゆる市場にニーズがある
メモリやストレージは演算処理や記憶媒体としてどの製品にも必須の製品となっています。そのためPCやスマホに限らず、USB、車のナビシステムなどありとあらゆる製品にニーズがあります。これはMU製品に対して安定した市場の需要があると同時に、特定の用途に依存しないためリスク分散の点においても優れています。
株価の推移

MUの月足での価格推移です。
2008年12月に1.56$をマークしてから株価は右肩あがりで、2024年には最高値の157$まで上昇しました。
将来性について
直近のMUの決算は2024/6/26で売上高は予想の66.7億ドルを超え、68.1億ドル。キャッシュフローも24.82億ドルと好決算でした。


2023年は半導体需要の低迷やメモリの価格下落、PCやスマートフォンの市場需要が減少したり、複数の要因で赤字を計上することになりましたが、AIやクラウドコンピューティングの普及により、今後はデータセンター向けのメモリ需要が増大することが期待できます。また5G技術の普及もモバイルデバイス向けのメモリ需要増大に拍車がかかる可能性があります。
現在は赤字を計上しているものの、業界全体の需要増大やAI、5Gといった技術革新によって今後収益改善が十分に見込まれる企業と考えられます。
まとめ
マイクロン・テクノロジー(MU)について
- 米国の半導体メーカーで特にメモリやストレージ分野に特化
- エヌビディアなど他社の半導体メーカーとパートナーシップを多く築いている
- 垂直統合ビジネスモデルを有しており、設計から製造まで自社内で可能
半導体は需要サイクルや世界の景気に左右されやすいセクターですが、MUは今後も継続的に世界の技術革新の一端を担っていく存在と思われます!
コメント